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映画の中で出逢う「駅」(臼井幸彦)/鉄ちゃん的考察が面白い

何かの書評で興味を持ち、「そう言えば映画に駅はつきものだなあ」と気づかされた。一読した印象はこんな感じ。

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偏見交じりですみません。

本書では主に欧米のオサレな駅を紹介、それが映画の各作品でどう描かれたか、どういう役割を果たしたのかを詳しく解説してくれる。

映画という有機質なものと、駅という無機質なものとを一緒くたに紹介できるのは、映画にも鉄道事情にも明るい著者にしかできないことだろう。ただ、駅というのは出発地であったり目的地であったり、人生における転回点の象徴として描かれるのは映画を観れば明らかなわけであり、そこに新しい発見というものはない。

面白いのはむしろ、著者の鉄ちゃん的ミクロな視点が働いている文章で、例えば『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場するキングス・クロス駅の9と3/4番線は4番線と5番線の間で撮影したらしい、とか、『アメリ』のパリ東駅は、中は東駅だが外観は北駅を使っている、とか、そういった映画の本質とは関係ないこだわりに興味を惹かれた。『鉄道員』に関する件では、設定では終端駅なのにロケに使われた幾寅駅が通過式の中間駅であることにご不満な様子。

本書を読んでおけば、列車を使っての欧米旅行が楽しくなりそうだが、そんな余裕はいつになったら手に入れられるのやら。

映画の中で出逢う「駅」
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by taraponya | 2006-06-10 11:20 | 読書日記